« 「言葉」‥2 | トップページ | 「言葉」‥4 »

2012年3月24日 (土)

「言葉」‥3

漢字の大御所の白川静がどこかに書いていましたが、漢字の中にはあるものを指す言葉
を発音した時の口の形からできたものもあるとのことです。口の字は口の形そのもので典
型的な象形文字と言えるでしょうが、音声言語を発音した時の口(歯や舌を含む)の形が
文字になるとはまさに音声言語から文字言語が生まれる直接事例と言っていいでしょう。
だいぶ以前に読んだことでその本も紛失して、それがどの漢字だったか忘れましたが、そ
のことが非常に意表を突くような面白さを感じたので私はその理屈だけ覚えているのです。
しかしハングル文字はほとんどこの理屈で出来上がったものらしい。これにはさらに驚きで
すが。‥‥
日本はよく言われているように、音声言葉はありましたが文字言葉は生まれず、中国から
漢字を取り入れてようやく日本でも文字が使われるようになりました。紀元4世紀頃のこと
だとされています。そして中国の漢字体は極めて複雑かつ煩雑なので簡略できるものは
どんどん簡略化して日本語の漢字を作り替えていきました。さらにそれだけでなく一挙に
漢字を簡略した表音文字として仮名文字(平仮名、片仮名)を作りました。そしてこのこと
が文字言葉としての日本語を飛躍的に日本人にポピュラーなものに広め、日本の文明・
文化を発展させたことは誰もが認めることでしょう。良くも悪くも喧伝されている日本が世
界に誇る技術改良特質のルーツがここにあるといっても過言ではないかもしれません。
この言語改造の動きは現在も留まることなく続いており、数字記号、和製英語は序の口
で、概念の面でもコンピューター言語やあらゆる分野の外来言語が取り入れられ、日本
語化しています。最近よく聞く話に、日本語が英語化して日本が英語圏に取り込まれよう
としていて由々しいことだというのがありますが、私が思うにそんなことはまったく心配ご
無用で、日本語が時代の流れに機敏に対応しているだけでしょう。時代の変遷が科学的
にも文化的にも非常に早まってきているのは世界共通ですから、日本語の変わり身の速
さも当然起こっているのだと考えるのがいいでしょう。世の中で起きていること、世界の現
象に対して、もし私達が(つまり日本語で)理解できなくなったらその方が一大事で、その
時は本気で日本語を捨てなければならないでしょう。

« 「言葉」‥2 | トップページ | 「言葉」‥4 »

心と体」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1627554/44614435

この記事へのトラックバック一覧です: 「言葉」‥3:

« 「言葉」‥2 | トップページ | 「言葉」‥4 »