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2012年4月22日 (日)

「言葉」‥16

解明することが本質的に困難な「感覚」のことを最後にもう一度おさらいをしてみましょう。
少しウンザリ気味で、これで「感覚」にケリをつけるためにまとめをしておこうということです。
「感覚」のことを私たちは「感じ」と呼んでいます。ニュアンスからしてもぼんやりした言葉で
すが、通常次のような意味と例で使われています。
・感覚‥‥手で触れると冷たい感じがした
・気持・感想・印象‥‥春めいた感じ、人の好さそうな感じ
・反応‥‥音を聞く感じが鋭い、運転の感じがいい
・雰囲気‥‥都会の感じがする、大人の感じを漂わせる
そしてこれを哲学的に言えばこうなります(D.ヒュームの表現を借ります)。
・「感じ」は感覚的な直接知覚である。「信念」が所在する場所、あるいは同義に近い。
・「感じ」はこれ自体で述語になるが、「感じ」を説明する述語はない。
・「感じ」をときには「心持」とも言い表わし、この二つの区別はない。
・「感じ」によって印象や観念の活気、勢いは示されこれ以外にはない。
また英語では次のような語(訳語)が使われています。
・sensation(感覚)、feeling(心持)、impression(印象)、atmosphere(雰囲気)
以上が「感じ(=感覚)」のまとめと言っておきたいと考えます。
‥‥‥‥‥‥
言葉が「ものごとの言葉による喩え」という意味で、「感じ」が喩えるのはどんなもののことか
と問うことは「クオリアの問い」と同じでこれが解明不可能なことは何度も言った通りです。
言葉の領域内からは手の届かない領域外のことがらだからと言う以外になく、これを突破し
よう(解明しよう)としても堂々巡りに陥るだけです。
ある「感じ」に音声記号を当てて「言葉」が出来ているとき、その「感じ」を「言葉」で説明が出
来るでしょうか。これには「感じ」の「感じ」を指し示す言葉が必要ですがそのような言葉があ
るでしょうか。‥‥これはもう人間の頭(思考)の構造上から不可能です。「言葉という思考の
タイプ(型)」からはみ出しているからなのでしょう。
そしてすでに私の説明も堂々巡りであることがお分かりになるでしょう。

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