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2012年8月23日 (木)

「顔」‥17

「顔」のテーマと国境紛争は本来まったく関係ありません。たまたま日本近海

で騒がしいことが起こったので私の思いを言ったまでのことです。エッセーと

はこんなものでいいと思います。人生も終盤に入った60才台の人間にとっては

世の中で何が起きようとも本音の本音のところでは「まあ、なるようになれば

いいだろう」という点は多かれ少なかれあります。それなら無責任な大口をた

たくなと言われそうですが、口があるうちに言いたいことは言っておこうとい

う気持ちもあり、この期に及んで言うのを我慢したり、心にもないことを言う

のはまっぴら御免だという思いが強いのです。いっそ真夏の夢のようなことを

言ってみましょう。

‥‥何といってもいまだに日本を実質的に牛耳っているのは60才代です。この

世代が政界のトップ、企業のトップ、さらには文化や芸能の分野の色々な場面

・局面で、相談役、顧問、いわゆる「顔役」の立場で大御所面(づら)して鎮

座しているではありませんか。これは同世代の私の感覚から言えば不思議を通

り越して異常だと言えます。人間の能力としてはピーク時の56掛け(良くて

7掛け)程度に落ちている者が指導者である社会は文字通り黄昏の社会であり、

不幸な結末が間近に迫っている状態であるといっていいでしょう。すでに目に

見える事実として、日本の社会全体の運営が硬直化をきたし勢いが失われ、停

滞感・閉塞感が漂っているのは疑いありません。戦後の民主国家、いやもっと

さかのぼって明治維新の近代化が目指したのが今の世の中の姿・形だったのか

もしれません。欧米先進国を目標とし、追いつき追いこせとがむしゃらにやっ

てきた結果、世界で屈指の長寿国となり、一人当たりのGDPもトップクラス、

世界に冠たる国民皆保険・福祉国家と喧伝されています。一見文句の付けよう

はないかに見えます。しかし冷静に今の状況を振り返って見た時、すでに日本

はあらゆる分野でピークアウトしてしまったことが分かります。上昇が期待で

きるものはほとんど残っておらず、どの分野も遅かれ早かれ下向きに変わろう

としています、いやすでに下降し始めています。これを文明の栄枯盛衰の宿命

と言ってしまえば反論の余地はないかもしれません。

ならば日本はあとは座してゆっくり死を待つ以外にないということなのでしょ

うか。これも考えてみればおかしな考え方です。国が亡ぶとは国が消滅するこ

とで、その国民が存在しなくなることです。確かに日本は長期的に見て(今後

100年程度で)人口は78,000万人の水準まで減少しそうですが、ゼロに向かっ

ているわけではありません。これでも明治の初期が約3,500万人ですからその倍

以上の人口です。明治から100年かけて3倍になった人口がこれから100年で2

程度まで減少するということで、このこと自体は穏当なことでしょう。一国の

人口は永久に増え続けるものではなくどこかでピークを打ったあと減少してい

くのはごく自然な現象です。私はこのことを大騒ぎする最近の風潮がどうかし

ていると思います。世界中の国民が人口増加を望み続けたらその行く末こそ大

惨事が到来することは誰でも理解できるはずです。日本のリーダーと呼ばれる

人たち(政治、産業界、官僚、学会等のトップ層)は知ってか知らずか、日本

の経済成長は人口成長と不即不離のものとしてこの大騒ぎの音頭取りをしてい

ます。「子ども手当」などという愚かな政策までやる始末です。これこそグラ

ンドヴィジョンを欠く、行き当たりばったりの、ノーアイデア施策の典型です。

社会政策、経済政策、外交(軍事)政策はみな似たり寄ったりの有様で、これ

は上で述べた社会運営の硬直化の表れに他なりません。このリーダー達に「あ

なた達アンバイ悪いからもう辞めてくれ」と言っても引っ込もうともしません。

具合の良い「天下り先」を充ててやってやっと引退するだけです。

では一挙にリーダー世代の若返りを図ればいいのでしょうか。それは最低の必

要条件で、それだけで十分ではないでしょう。仮にリーダー全員を30才台~40

才代に交代させても彼らも「ノーアイデア」癖が身に備わっています。人間は

一度浸った「習慣」を捨てるのは非常に難しいものです。特に「楽」から「苦」

へ自発的に変更することはほぼ不可能と言っていいでしょう。従って、本当の

変革はまだ「楽」を味わってない幼児もしくはこれから生まれてくる世代ので

きる仕事であるというのが至当でしょう。ですから社会が変わるのは(変える

ことが必要だとして)まだ少なくとも30年~40年先のことだということになり

ます。しかもそれはこれからの若返りリーダー達がエゴでなく(真のリーダー

への)繋ぎ役に徹してやっとできることなのです。

‥‥何かため息が出てきそうですが、実際上その位の時間スパンを考えなけれ

ばならないでしょうね。 

<真夏の花ヤマユリ、ノウゼンカズラ、ヒマワリでもご覧ください>

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