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2013年8月25日 (日)

「ハチ」‥1

 年寄りの話のステレオタイプとは、昔のことを語るか今の世相を愚痴るかということですが、ささやかなブ

ログの上でのことですから、いっそのこと典型的な昔話で若い頃に入り浸った飲み屋の話をしばらくやってみ

ようと思います。まさかこれを見て「私も常連だった」と名乗りでる人もいないと思いますのである意味で

“安心して”書こうと思うのです。別に嘘を言うつもりではありませんが。‥‥

 私のサラリーマン生活は大阪がスタートでした(1973年)。学生生活も大阪でしたからそのまま大阪に居続

けられたことになり、これは幸運なことでした。学生生活の後半から私もようやく大阪に馴染んできたので、

ここを離れる寂しさも感じていたからです。そして金融機関勤務で全国のどこの地域でも赴任の可能性があっ

たのですが、大阪勤務の辞令でホッとしたものです。とは言え仕事を覚えるのも大変で、半年ほどしてやっと

少しはゆとりが出てきた時に、学生時代にたまに入ったことのある「ジャズ喫茶」が、夜はスナックとなっ

ているのを知り、ここを、自分のボトルを置いて酔いながら物憂げにジャズを聴ける“何よりも贅沢な場所”

とするようになりました。その店の名は「インタープレイ8(ハチ)」と言い、今では代替わりしましたが店

は健在です。そして私は転勤で大阪を離れるまでこの店に足掛け8年通ったのです(店の名に合わせたわけ

ではありませんが)。

 さて飲み屋というところは多かれ少なかれ常連客がいて店主と馴染みの関係ができてくるもので、自然に、

常連客とそれ以外の客(一見)とは店の中で距離が置かれ、“格差”が付けられます。ここの「ハチ」も

例外ではなく、と言うよりもこの格差が極端で、常連はいわば“ファミリー”でその他は“ただの客”とし

て扱われます。小さなビルの地階にある「ハチ」の店の形は三味線型をしていました。入口から右側の広

く四角いスペースの方と左側の狭くひょろ長いカウンターのスペースの方とに分かれていて、常連だけがカ

ウンターに座れたのです。カウンターは常連だけというのは後から知ったことで、私は週に23日通い、い

つも右奥の席で角瓶の水割りを飲んでいました。たまに空いているカウンターに座ろうとすると「あ、そこ

はアカンのや。奥のテーブル席へ座ってんか!」と言われたのです。それで空腹なので何か食べ物を頼もう

と、カウンターの方を覗くと目の前でうまそうにチャーハンを食べている客と野菜サラダを食べている客が

いたので、「チャーハン頂戴」と言うと「それはできません」の返事で「じゃあ野菜サラダを」と言うと

「それもできません」と同じくカウンターの中のマスターの返事。内心ムカッとして「じゃあ何かあるもの

を!」と言い捨てて席に戻ると程なく小皿に盛られた「柿ピーナッツ(のようなもの)」が届いたもので

す。そんな具合で23ヶ月過ぎた頃、テーブル席で飲んでいると、ママさん(のような人)が「カウンター

へ座らしまへんか」と声をかけてきたのです。

<ジャズに馴染み始めた頃のLPジャケットです>

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コメント

こんばんは☽
通い始めて2・3ヵ月でカウンターに座れたのですね♫
一見さんはお断り厳しいですね(~_~;)
そこから8年この話の続きが読みたいですshine

おはようございます。
この話どれだけできるか分かりませんが、古いたんすで
たくさんガラクタが詰まっているので一旦引き出しを総ざらい
してみようと思います。punchimpactsign01

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