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2013年9月22日 (日)

「ハチ」‥12

 ハチの常連の中で何といっても最も印象深かった人は“オーちゃん”です。アダ名の由来は恐らく本名の姓が

大下、大木だったからだと思います。私が常連に加わってすぐにハチママに聞いたような気がしますがすっかり

忘れてしまいました。オーちゃんは私より56歳上で、ある大手造船会社に勤務するサラリーマンでした。サラ

リーマンとはいえ坊主頭で日に焼けて真っ黒、それに筋肉ムキムキの“マッチョ”だったのが一番の特徴です。

少し古いマンガの「じゃりン子チエ」に出てくるチエの父“テッちゃん”がそのまま抜け出してきた風貌だとい

ったらイメージし易いでしょう(腹巻きはしてませんでしたが)。実際に喧嘩も強かったらしいのです(話に聞

くだけで見たことはなかったのですが)。真っ黒なマッチョの理由は会社のボート部でカヌーの一種「シングル

スカル」の現役の選手だったからで、国体の大阪府代表になったりもしていたので見掛け倒しのマッチョではな

かったのです。私を含め常連の何人かで堺の浜寺にあったボート部の練習場に連れて行ってもらい、シングルス

カルに試乗させてもらったこともあります。

 実はこの“オーちゃん”のハチでの存在感はその風貌ではなく“ボーカリスト”としてのものだったのです。

ボーカリストですから歌を歌うということです。それは88日その他のハチでのライブセッション後の打ち上げ

の時に、興に乗ってくると我と思う者が飛び入りで楽器を吹いたり、ピアノを弾いたり、ドラムを叩いたりした

のですが、オーちゃんはボーカルをやったのです(もちろんアカペラで)。そして歌う曲は「サマータイム」、

そうジョージ・ガーシュウィンが作曲したジャズ・オペラ「ボギーとベス」の中で歌われる有名な曲で、その後

ビリー・ホリデイなどがレパートリー曲にしていたものです。オーちゃんなりには、ボート漕ぎと海のイメージ

がピッタリ合うと感じて自分の“持ち歌”にしたんだと思います。さて出番になると、オーちゃんは朗々と

(いちおう原語で)‥♪Summertime and the livin is easy Fish are jumpin and the cotton is high Oh your daddys rich

and your ma is good lookin So hush little baby, dont you cry‥♪‥とこのへんまでは原曲に忠実に歌うのですが、

の後いきなり“スキャット”に変わり♫ダバダバ、ダバダバ、ダバダバダ!ダバダバ、ダバダバ、ダバダバダ!ダ

ーダバダバ、ダンダンダバダバ、ダーダバダバ、ダンダンダバダバ!ダンダンダバダバダン!Summertime!ダバ

ダダ、ダバダダ、ダバダバダン!jumpin Fish! ダバダバダ!ダバダバダバダバダバ、Ohダバダバダ!‥‥キャ

キャコ、キュコキャキグキョク、キョコキョコグキャコ、グキャココキャコグ、コンコングキャコ、Oh daddy

キョンキョン‥‥○☓◎◎☓☓、◎◎☓☓○◎、▲▲○○☓○、Oh baby!ダバダ、ダバダ‥‥ ♫(正確には覚え

ていませんが、こんな感じでした)‥‥というハチャメチャな調子で、いつ終わるとも知れず大声で歌い続ける

(怒鳴り続ける)のです。私達は涙が止まらないほど笑っていたのですが、初めて見る人は「あの人はオカシイ

んやないか、誰もとめられないんか?」と本気で心配しただろうと思います。‥‥オーちゃんは“フリージャズ”

のつもりでボーカルを演ったのです。そして、さすがに声が嗄れてきて周りの私達も心配になってきた頃に‥♪

Oh~Summertime~♪と原曲に調子を戻してエンディングしたのです。この間30分位が普通でした。‥‥これには

あの山下洋輔も本当にアキレた顔をしていたのです。

 

<「サマータイム」は大勢のジャズ歌手が手がけていますが、ここではエラ・フィッツジェラルドとサラ・ボー

ンを聞いてみましょう。この二人はジャズ・ボーカル界の両横綱だったと思います>

Photo
http://ceron.jp/url/www.youtube.com/watch?v=6pdyiK5kziw

Photo_2

https://www.youtube.com/watch?v=mmofX0rE6CQ&feature=player_embedded

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コメント

こんにちはfullmoon
サマータイム王道の曲ですね♫~♬
スキャットのダバダバ、ダバダバ、ダバダバダ!がどんな感じかは分かりませんけれど(~_~;)
ハチさんに集まる人たちはやはり熱唱されるのですねnote
スローなテンポのジャズも、ハチャメチャに熱唱されるのも
ハチでは許されるのかもしれませんね(*^^)

オーちゃんのスキャットはメロディ無視でひたすら意味不明の絶叫をし続ける
というものだったのです。感心したのはデタラメスキャット語を一度もつかえる
ことなく延々とやり続ける芸当でした(これも才能だったのでしょう)。!!(゚ロ゚屮)屮sign03
これはスキャットを憶えて、思い出しながらできるものではありません。
赤ん坊や野獣の叫び声と同じで”出るに任せる”状態で、わずかでもテレが
あったらできないだろうと思いました。きっと海の上で練習したんでしょう。yachtnote

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