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2013年10月 9日 (水)

「ハチ」‥17

 ジャズについてはいつか話しておきたいと思うことがありました。ずいぶん昔に(まだ学生の頃)思ったこ

となのですがきちんと筋立てて誰かと話したことはこれまでありませんでした。今は気恥ずかしさを感ずる年で

もなくなり別に臆する気分は霧消してしまったのでここで話してみようと思います。それは、ジャズは“性欲”

に関係が深いものであるということです。「何だそれは」とも「なーんだそんなことか」とも言われそうですが。

かの三島由紀夫が生前述べていたことに「哲学とは結局、性欲の変形だ」というのがあります。その前後がどう

いう脈絡であったかは覚えていませんが、その断定的な言葉に強い印象を受けてこの言葉だけが浮き上がったよ

うに記憶に残っていました。そしてある時ふと「ジャズも性欲の変形だ」だという感じを強く抱いたのです。

し高尚な言い方をすれば絵画も含め「芸術的パッションは生命力(性欲)の表現である」ということになるで

しょう(これも誰かが言っていたような気がします)。ハチの常連だった頃は、何でも言いたいことを(酔った

勢いででも)言ったものなので、“ジャズは性欲の変形だ”と一言二言口に出しかけたのですが、ハチママに猛

烈に反論され(というか怒り出して)、他の常連もこれに同調したので、私はこれ以上言い張ったら“総スカン”

の扱いになりそうで、それにジャズに“命を懸けてきた”ハチママのプライドを痛く傷つけたようなので黙って

しまいました。これは完全な誤解だったのですがこの誤解を解くのも大変骨が折れそうな感じがしたからです。

 私が合点したのは、若いうえに時間を持て余し鬱然とした生活を送る者が、内側からフツフツと沸き起こる情念

(パッション)にある意味で悩んでいるような時に、上の三島由紀夫の断言に対しては頷いてしまう人間は少なく

ないはずで、その時は哲学もジャズも同列のジャンルのものであるに違いないということでした。最近の言い方を

すればそういう情念が“癒される”作用を哲学やジャズは持っていたということです。もちろんこれは人により

けりで、何がその人を癒やすのかは決まったものなどないでしょう。そのために色々な遊びや趣味があり、勉強や

仕事が趣味なら理想的ですし、恋人がいればこれに優る癒やしはないでしょう(恋人がいれば性欲を変形する必要

はないわけですから、簡単な話、哲学もジャズも不要のものとなるでしょう)。

 最初の方で述べました、本場のアメリカと異なる日本人のジャズの感性という点もこのことだといっていいと思

います。アメリカ人に面と向かって「ジャズは哲学と同じく性欲の変形だ」と言ったらどんな顔をされるか、恐ら

く“Oh My God!”と叫ぶのではないでしょうか。

 

<そんな話のあとではジャズが聞きづらいと言われそうですが、私が大変癒やさされた曲の一つが

エロール・ガーナーの「Love In Bloom」(恋真っ盛り)です>

2

http://www.youtube.com/watch?v=gl7ENYh6xys

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心と体」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。
言い方を変えれば、癒しはそうなのかもしれないですね
人それぞれに、癒しの感覚は、違うとは思いますが。
今のところ、私の癒しは姪達ですけど♪
恋人がいればね♪(≡^∇^≡)
毎日周りを見ていないのか、中々現れないですね
今夜は眠れなくて、音楽を聴きたいけれと、
皆さんの様に頭に浮かんでくる歌がない私は何だか寂しいですね

こんにちは。
ウ~ン、何がその人にとって癒しになるのか決められないようですね。
これも最近流行り言葉になっている「自分探し」みたいなものですかね。
私のこのブログのスタートも「私」がテーマでした。結局私が「私」とは何
か決めることはできないということでした‥‥(;一_一)ジト
そうだ、マイルス・デイビスの「いつか王子様が」という曲があった!flairnotes
http://www.youtube.com/watch?v=fBq87dbKyHQ

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