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2013年12月11日 (水)

「ハチ」‥27

「ハチ」ではなく岡山の「バード」というジャズ喫茶での話。89年前のことで、その頃私は単身赴任で1年半

ほど岡山の支社にいたのですが、ある時、会社の2年先輩で関係会社に出向していたKさんが出張で支社に来たの

です。会うのも5年振り位だったのでその夜は私の行きつけの飲み屋であった「バード」に行ったのです。K

んもジャズ好きだったのを思い出したからです。ジャズを聞きながらお互いの近況やら話している内に34時間

も経ってしまい翌日も仕事なので切り上げ、私が勘定を済ませました。Kさんは、勘定は折半でいいのに、と済

まなそうに言ってました。Kさんは予約していたホテルに帰るので、タクシー乗り場まで送っていくと、車に乗

る寸前に急に「ゴメン、○○ちゃん(私のこと)5,000円あったら貸してくれない、東京に戻ったらすぐ送金す

るから」と仰ったのです。

 それから10日ほどして私の部屋に小さな郵便物の包みが届きました。中にはKさん手作りのCDが入っていて、

便箋が1枚添えられ「○○ちゃんの好きなジャズピアノをCD録音しましたのでご査収ください」と記されていま

した。お金は入っていません。

 それで私は思い出しました。そう、Kさんは金借りの名人(癖、趣味と言った方がいい)だったことをです。

同じ職場だった頃にも何回か急にせがまれたことがありました。しかし踏み倒された記憶はなく、忘れないうちに

返してはもらったのです。それは、気心が知れた人間から“つい気軽に”借りる類のものだったのです(だから癖

なのです)。そういうKさんにとって“気心の知れた”者は私を含めて回りに34人位いたようです。私の了見と

しては、そういうことは12回はいいとして34回目にはあまり良い気はしないものです。‥人の財布も自分の財

布だと思っているみたいだな‥という気分にさせるのです。しかし本人には悪気はまったくないのです。

 そして私がリタイアする2年位前のある日の夕方、職場の私にKさんから電話がかかってきたのです。「○○ちゃ

Kです、今新幹線で横浜を過ぎたところ。あと30分でそっちに着くから、ゴメン、5,000円貸してくれない?」と

仰ったのです。私は吹き出すのと、ムカつくのと半々の気持ちで「ああ、私は今からアポイント先へ出るところな

んで、申し訳ないKさん」ととっさに出まかせを言ったのです。‥‥それが、今までのところKさんと話をした最

後となった、少し後味の悪い思い出なのです。

 

<そのKさんから頂いたCDの曲、ドン・ランディの「Waltzing Matildaワルツィング・マチルダ」です。

“お気軽な”ジャズ曲です。‥‥Kさんの寸借顔も思い出しますが‥。

(追伸 「枯葉」を追加しました。こちらの演奏の方が評価できます) 

スナップはこの9日に小田原市の久野山林をドライブした時のものです。こんな所に皇帝ダリアが植え

られていました。遠く相模湾が見え、小田原城も小さく見えました。>

http://www.youtube.com/watch?v=oIRgvUvvOok

http://www.youtube.com/watch?v=aKL_ZYpqLHU

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心と体」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。
Kさん変わった方ですね
悪気が無くても借りて返さなくてゆるされるのは家族だけかな(~_~;)
私も妹に何度もね(*^_^*)
男性と女性の考え方は違うのかな…
結局後味が悪く成りますよね
CDをくれる気持ちは有り難いのですけれど
キチンと出来ない人は困りますねsweat02

こんにちは。
Kさんも含め、先頃“年賀状の取り止め状”の葉書を友人・知人に送りました。
この1年間で、病気で3回入退院を繰り返し今後も治療に専念したいからと理由を
付けたのです。「喪中につき年賀の欠礼」の葉書が今年はいつになく多く届いたの
にヒントを得て、書くことを思い付いたのです。それには、今後の連絡はPCか携帯
でメールやりとりでと、メアドを記しておいたのです。賛同の返信メールが今次々に
届いています。
これで、型通りの年賀状を出すのは、純粋の親戚とメール習慣のなさそうな年のい
った知人だけとなりました。それでも25ヶ所位あります。ほぼ半減しました。
na noriさんなどはまだ遠い先の話ですが、私の年(63)になるとこれも一つの仕事に
なるのですよ。‥‥この辺は人それぞれの判断でしょうが、私は自分の気が確かな
うちにやって置こうと思ったのです。
いや~、正真正銘ジジむさい話ですねdowndown(´・ω・`)ショボーン

こんばんは~night
寒く成りましたsnowこちらでは北部が雪で
南でも、今週末は雪が降るくらい寒いそうです~
そちらはそれ程では無いかも知れませんけれど、
十分温かくして風邪を引かないように気を付けて下さいね(#^.^#)
私の知っている63歳の方は(教室のお客様が殆んどです)皆さんとてもお元気でね
見えない位お若いですよ。皆空さんと同じ病気の叔父はもう5年ほど前から毎年入退院を繰り返していますけれど、辛そうな時もありますけれど、元気そうで殆んど毎日出かけています。
大丈夫ですよまだまだお若いです♪shineupup(=゜ω゜)ノファイト~notes

Kさんのお話を読んで、なんとなくですが
太宰治の顔を思い浮かべてしまいましたconfident

悪気がない人って困りますね〜coldsweats01

na noriさんへ
老化現象の特徴でしょうが、本人は深刻さの自覚は皆無、他人ごと感覚
なんですね。それが老人のポジティブ意識維持の方法でもあるのです。
こうして意識と体力とのギャップがますます広がり、その結果、元気な老人
(三浦雄一郎みたいな)とショボくれた老人との併存という社会の構図とな
ります。最後は全員がショボくれてお迎えを待つ‥‥
‥やはりジジむさくなりますね。sleepynotehappy01

村上春巻さんへ(一度送ったはずなのに‥‥)
太宰治は「オレの才能に免じて‥‥」という気分だったんでしょうね(これも悪気ですが)。
借金癖の人の才能は借金癖であるのが普通で、これ以外に大した才能はありません。
私は「友から金を借りる位なら、商賈(今ならサラ金)から借りよ」という森鴎外の言葉が
気になり、人に金を借りたことはありません(100円、200円はありますが)。勢い、人に厳
しく当たり勝ちになります。
昔、ノイローゼになった知人から借金を懇願された時(電話でだった)、断ってから間もなく
その知人が会社を辞めた(事実上クビ)時は深い後悔が残りましたね。友人・知人からの
借金依頼があった時は“贈る”と腹をくくる方がいいですね。thinksweat01
‥村上春樹は今「羊をめぐる冒険」を読んでます。shinegood

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