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2014年3月 9日 (日)

「品定め」‥7

「実のところこの女と別れるつもりはなかったのですが、こちらからは幾日も便りもやらず遊び回っていたので

す。そしてしばらくたったある雪の晩に宮中を退出して思い巡らした挙句、あんなことの後で気恥ずかしさが残

っていたものの、女のところに立ち寄ってみる気になって行ってみたのですが、女は親の家に出かけて留守で、

ただいつ来てもいいように私の着物をいつも以上に心をこめた色合い・仕立てで用意がしてあったのです。何だ

やはりケンカ別れした後も気を配って私の面倒を見るつもりでいて、これっきりこちらを見捨ててしまうことは

なさそうだと私はたかをくくってしまいまして、その後の女からの手紙には『今までどおりのお気持ちでは辛抱

いたしかねます。心を入れ替えたお気持ちになってくださるのでしたら、一緒に暮らしたいと思います』とあり

ましたものの、私を見捨てることなどありはしないだろうからもう少し懲らしめてやろうと思い、『あなたの言

うとおりにしよう』とも言ってやらずに意地を張っているうちに、女の方がひどく気に病んで、とうとう亡くな

ってしまったのです。冗談もほどほどにしないといけなかったと悔やんで気持ちも落ち込んでしまい、考えてみ

れば、たわいないことでも改まってのことでも相談のしがいがあり、染物や仕立ての腕前も堪能で、すべてを任

せられる本妻ということならあれで十分なくらいの女であったと、思い出すだにかわいそうでならないのです」

と神妙な面持ちで馬頭は話をしたのです。

 頭中将も、たなばたの織姫と彦星の話にもなぞらえそうであった馬頭の経験談に深く同情して、誰にとっても

妻選びは難しいものだと同意するのです。

‥‥お互いの思いの微妙なスレ違いや不運な行き違いが、男の側とも女の側とも言えない原因により生まれてし

まい、悲恋をもたらすことにもなるという、この物語の今後の幾つかの挿話を予知しているとも言えるのです。

 

<先週末に神奈川県西部の小田原の梅林とほら川岸辺の河津桜を見てきました>

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心と体」カテゴリの記事

コメント

こんばんはnight
最近バタバタしていて、ポチキラ怠ってます
御免なさいね。

悲恋ですね。強情も程々にしておかないと
後で後悔する…
後悔したくないけれど、勇気も必要でしょうね。
河津桜綺麗ですね✿
三重県の菜花の里でも河津桜としだれ梅が同時に見れるって
TVで言っていて見に行きたいねぇって話をしていました~
河津桜だけでも見れて良かったです♪

今晩は。
いいことでバタバタしているんでしたらそれで幸せですよ。
でも忙しいことは後から振り返ってみると大体よかったことに
なりますね。泥棒に入られたんでもなければですね。scissorshappy01
河津桜が見れる場所は神奈川県内にはやたら多いんです。
ここも特に名前も売り出してないんですよ。気候がこの花に
向いているようです。もともと静岡県の河津町が産地で地域的に
近いせいもありますかね。notes❀❀❀

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