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2014年5月 6日 (火)

紫式部のブラックユーモア(1)

源氏物語の中には紫式部独特の(あくどい)ジョークが出てきます。いずれも光源氏の“色ごと”にまつわる話

ですが、一つは醜女と付き合ってしまったもの、一つは老女と付き合ってしまったものです。紫式部は源氏が契

を持った(関係した)女性としては必ずしも“またといない美人”ばかりを描いたわけではありません。最初の

方の女性は「末摘花(すえつむはな)」、後の方は「典侍(ないしのすけ)」です。“付き合ってしまった”

というのは、半ばは図らずも、半ばはそうと知りつつという意味合いです。なお、源氏物語に登場する女性の名

のほとんどは「あだ名」あるいは「身分」で呼ばれていて、末摘花はあだ名(紅花)、典侍は身分(女官)

です。

 まず「末摘花」の例をお話しましょう。源氏の父帝の宮中に仕える女房の一人、大輔命婦(たいふのみょうぶ)

は源氏の乳母の娘で源氏とは乳きょうだいなので普段から内裏の暮らしの中で何かと気楽に話を交わす間柄でし

た。ある時その命婦から故常陸親王(ひたちのみこ)が晩年にもうけて大切に育てられた娘で、親王が亡くなら

れた今はひっそりと琴を親しい友として、1人で心細く暮らしている姫君の噂のことを聞きます。物の怪に取り

憑かれて死んだ夕顔の事件からしばらく心が癒えなかった源氏でしたが、すぐに命婦にその姫君に逢えるお膳立

てを依頼するのです。この辺は“好き者”源氏の面目躍如たるところと言えばいいのでしょう。そして程なく、

ある春の十六夜(いざよい)の月が美しい晩に命婦の手引でこっそりと姫君のいる屋敷にやって来て、命婦に促

された姫君が弾く琴の音を別の部屋で聞き耳を立てるのです。琴の音は遠慮がちでかすかに聞こえるばかりで、

しかも短い時間だったのですが、源氏はいつか「雨夜の品定め」の時に聞いた“寂しく荒れ果てた屋敷に引き籠

っている予想外の可愛らしい女”の話を思い出して、そのイメージのままいよいよこの姫君のことが気になって

しまうのです。そして姫君のいる寝殿の前の生け垣に近寄るのですが、宮中からこっそりと出かけた源氏を不審

に思って後をつけてきた頭中将とそこでバッタリはち合わせしてしまったのです。

 

<先月下旬のカルチャー教室「四季の古都鎌倉紀行」で明月院に行った時のスナップです。6月のアジサイ

の季節にはまだ早かったものの、木々と水の自然の造形を活かした閑静な庭のたたずまいにはただ見惚れ

るばかりです。>

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コメント

こんばんはnight
ゴールデンウィークいかがお過ごしでしたでしょうか(#^.^#)
私は姪っ子達に振り回された4日間のお休み、ビックリするような事も沢山有りました♫
日記に書きたいのですけれど、写真はあってもお絵かきをまだする気持ちに成れなくってcoldsweats01
もう描かなくなって2か月です早いなぁ
五月雨の一夜,女性談義をするのですよね

古都鎌倉紀行の日本庭園良いですね、
どこへ行っても、自然の中を歩いて、庭園を見ていると
心も落ち着きますね~
ゆったりとした時間が今は欲しいです(~_~;)

昔からある、日本だと思うのですけれど
源氏や頭中将は毎日見る綺麗な風景よりも・・・だったのかなcoldsweats01

こんばんは。
ゴールデンウィークと言っても何も変わりません‥‥なにせ今ま
で4年間が“サンデー毎日”でしたから。coldsweats01sweat01
こども植物園は「春の花祭り」期間で、忙しかったですね。公園・遊園
地みたいなものですから家族連れも大勢来て賑わっていました。happy01scissors
鎌倉は探れば探るほど面白みが分かるような所ですね。歳のせい
かもしれませんがねsign02
na noriさん相変わらず甥っ子・姪っ子のお世話ですね。
四輪馬車に乗った王子様はまだ現れませんかnotes

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