« 短歌 | トップページ | 短歌 »

2015年7月 1日 (水)

安保法制

「安保法制」について

 

 与党が閣議決定したいわゆる「安保法制」に対して、憲法学者から違憲論

と合憲論がそれぞれ出され、国会も会期を大幅に延長することが決まり、

当面紛糾国会が続きそうです。私達国民はこの事態をしっかりと見守る必

要があります。その際に、頭の整理をしておくことは決して損にはならな

いはずで、その一助としていただくべく、私なりの思いを述べてみます。

「今さら何を言うの」ではなく、「今こそ言わずにいつ言うの」の思いか

ら述べるのです。

  まず、私は素朴に、現行の日本国憲法第九条は全文書き直しをすべきで(

 その意味で改憲賛成)、そうしない限り、何をどうひねろうと「安保法制」

 は憲法違反だと考えます。

 その憲法第九条はどう書かれているでしょうか。丸々引用しますと、『日

本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動た

る戦争と、武力に依る威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段とし

ては、永久にこれを放棄する。前項の目的を達するため、陸海空軍その他の

戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。』‥‥いわゆ

る《戦争の放棄》を謳った条文で、現憲法が『平和憲法』と呼ばれるゆえん

のものです。実に見事な文章なのですが、これを日本語の義務教育を普通に

終了した者が普通に理解してこれを約めて言えば、“日本は軍事力を保有せ

ず、従って戦争はしない”であり、これ以外の解釈などあるはずはありませ

ん。侵略戦争だけが“NO”なのではなく、戦争そのものが“NO”の意味で

あることは、誰が読んでも明らかでしょう。

 その一方で現実には、日本は「自衛隊」という紛う方なき陸・海・空の軍

隊を保持しています(核兵器部分を無視すれば、世界で79番目位の軍事力

でしょうか)。これは明白に第九条と現在の国情との齟齬・矛盾ですが、現

憲法内のどこにもこの齟齬・矛盾を埋め合わせる条文はありません。その限

りで、現行憲法は“嘘つき”状態なのです。今回の「安保法制」に限らず、

これまでになされてきた憲法解釈に係わる紛糾の源は、すべてこの部分にあ

ると言えば間違いはありません。これは子供でもアレ?と思う嘘なのだとい

うことに、政治家やマスコミは気が付かないフリをしてきましたが、それを

続ければ続けるだけ、ツケが貯まり、ニッチもサッチもいかない程の問題と

なってしまった、というのが今の状況だということでしょう。

 それは一言で言えば、皆がサボってきたのが原因です。与党(自民党)は

言うに及ばず、野党も、裁判所、憲法学者たち全員、そしてマスコミが、こ

のあからさまな“嘘つき”状態を修復することをサボってきたからです。

【こうなった原因は、言うまでもなく、194611月に日本に『平和憲法』を制

 定させたGHQ(アメリカ)が、1950年の朝鮮動乱を機に「警察予備隊」を設

 置させ、1954年に「自衛隊」となった際に、憲法との齟齬が生じたにもかか

 わらず、憲法改正には手を付けなかった、という経緯にあります。またこれ

 以降、憲法に「解釈論」という、誠に質の悪いご都合主義が纏わりつくこと

 になったと言えます】

  まず与党(自民党)は、現行憲法をGHQに受諾させられた当事者だったの

 で、戦後ずっとこの“嘘つき”状態を最も敏感に認識しており、だからこそ

 折に触れては改憲論をチラつかせながらも、与党の座を手放せないので(そ

 して日米安保にすがるのが一番楽なので)手を付けずにきたということであ

 り、野党(特に旧社会党と共産党)は「平和憲法」を盾に与党イジメを続け

 られれば、国民向けに“正義の味方”の役回りに安住できるので、ひたすら

 “護憲”の旗振りをしてきた、裁判所(最高裁)は国情を慮ることは憲法解

 釈を超える、と勝手に判断(判断棚上げ)し続けた、憲法学者は憲法条文を

 “判じ物”扱いする(=解釈論のオモチャにする)ことで自分の地位を保全

 することができた、最後に、マスコミは“問題だ、問題だ”と騒ぐこと以上

 のことはできず(嘘を嘘と、一番言い易い立場にいるにもかかわらず)、世

 論的「白痴状態」を演出し続けてきたのです。要するに、日本のオピニオン

 ・リーダーたちは皆、憲法の“裸の王様体制(嘘つき状態)”を守ってきた、

 というわけです。(“戦犯探し”をすれば、ほぼ関係者全員が戦犯というわ

 けです)

 ‥‥さて、戦後70年間、この白痴劇場(裸の王様)を見続けてきた国民は、

 いいかげんこの辺で、何が嘘で何が真実かは分かるはずです。もし、分から

 なければ、国民もとうとう本当の白痴になってしまったということではない

 でしょうか。

 ‥‥簡単に言えば、憲法の問題は『言葉の問題』なのです。日本の現状は、

 国民あげて『言葉』を軽んじた結果、『言葉』から逆襲を受けている状態だ

 と言えるでしょう。いわば『言葉』による呪縛を受けて、身動きが取れなく

 なってしまっているのです。これを解消するには『言葉』を変える以外に方

 法はないのです。『言葉』を変えないのであれば、現状を『言葉』に合うよ

 うに変えなければなりません。はっきり言えば、憲法第九条の条文を書き直

 すか、自衛隊を消滅させるか、ということです。自衛隊を無くしても日本国

 が成り立つと判断できれば、そうすればいいのです。成り立たないと判断す

 れば、第九条の書き直し(憲法改正)が絶対に必要です。以上の決断をしな

 い限り憲法の“嘘つき状態”は解消されず、このままズルズルと、事態の更

 なる悪化を招いていくだけでしょう。

 ちなみに、アメリカはこれに賛同しているとはいえ、日本の「安保法制」

の行方がどうなろうと、中国に対する警戒態勢は一層高めるだけで、(沖縄

を含めた)極東の軍備体制をより強固にしこそすれ、弱めていく可能性など

まずないでしょう。アメリカが財政や諸般の事情で極東から徐々に手を引い

ていく、従って、いよいよ日本の出番が近付いている、などという手前勝手

な“妄想”を言う輩もいるようですが、これこそ最もあり得ない話でしょう

(また、アメリカは自分が制定させた『平和憲法』を、日本が改憲すること

は、本音として望まないでしょう)。

「周辺事態」となった時に自衛隊を出すのか否かを考えるのではなく、も

とそれ以前に、それを考える拠り所とならなければならない憲法が宙ぶら

ん(嘘つき状態)であれば、どんな判断も宙ぶらりんとなるに決まってい

ます。ここは何としても拙速は避けなければならないのです。文字通り、憲

法という“大本”を固めないまま、日本にとって対外的な影響が発生する可

能性が大きい「軍事力の動員」を行なうことは、あの戦前の“深謀遠慮を欠

いた短慮”で泥沼の戦争にのめり込んでいき、悲惨な結果をもたらした歴史

の教訓が、それこそ生かされずに、また“同じ過ち”を繰り返すということ

でしょう(それとも、白痴の白痴たる証明をしたいのでしょうか?)。

記事とは関係ありませんが、疲れた頭にはビル・エヴァンスを!

https://www.youtube.com/watch?v=ZtVifO0MyFE

« 短歌 | トップページ | 短歌 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

こんばんは
7月に成りました
あっという間に半年が経ちました
憲法に関しては、平和憲法でなくては成らないと思います
そう考えている人が大半だと信じます

今なにかを変えなくては続けられないと考える人の
矛先が憲法というのもどうなのでしょうね
変えなくてはいけないのは
そんな事ではないと思うのですけれどもね難しい問題です

na noriさん
「平和憲法」を“裸の王様”と見るかどうかにかかっていますね。
私は“裸の王様”以外の何物でもないと思います。
だから、「王様は裸だー!」と叫んでしまうということです。
そして、王様が透明の“衣服”をまとっているかのように、周りで額づく
下臣たち(佞臣ねいしん)を見ると、腹が立つのです。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1627554/60572663

この記事へのトラックバック一覧です: 安保法制:

« 短歌 | トップページ | 短歌 »