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2016年9月 7日 (水)

スポーツ中継番組の精神論

 スポーツ中継番組を見ていると頻繁に出てくる話に精神論が

あります。これは特に日本の解説者(スポーツ記者やアナウン

サーも含む)が何かというと強調するポイントです。スポーツ

の種類は野球、サッカー、相撲、ボクシングから、オリンピッ

ク競技全般、それもプロアマ問わずすべてのスポーツ競技にわ

たっていて、その勝敗の結果を左右する重要な要因に選手(又

はチーム)の精神(気持ち、根性、スピリットほか色々な言い

方があります)を挙げて説明するというものです。いわく「こ

こで大事なのは精神力です」「あとは精神力だけです」「どれ

だけ精神面で勝っているかです」「ここからは気持ちの問題で

す」‥‥というような調子のものです。しかし、スポーツ競技

は第一義的にはフィジカル(物理的、身体的、肉体的)な力の

優劣を競うというものです。さらに最近は、これに科学的な手

法を積極的に取り入れて、競技に必要なトレーニング方法の追

及、運動筋力の強化を図るだけでなく、野球などのチーム競技

ではデータ分析を細かく取り入れて、例えば投手では100球以上

の球数を投げると球速や、制球力が著しく落ちる、左打者は左

投手に対する打率が低い、打者の打球方向の傾向に守備位置を

動かす、といった統計的データを作戦に取り入れる場面が非常

に多くなっています。競技の種類により様々ですが、最終的に

は試合で「勝つ」ことを目標にして科学的と言われる手法を取

り入れているのです。(筋肉増強剤などの薬物使用問題はここ

では論外です)

 日本での精神論の強調は、半面でデータ活用・科学的トレー

ニングの導入の遅れと対になっている観があります。私は、ス

ポーツ競技においてはデータ活用・科学的トレーニングの十分

な裏付けがあれば選手は自ずと自信を備えるので、精神論など

はまったく無用だと思います。理にかなった練習を積み重ねて

精神的にも充実している選手は、試合になれば自然にベストを

尽くすはずで、そこで余計な緊張をしないようにリラックスす

るためのアドバイスこそが効果があるのであって、そこに精神

論のプレッシャーを加えても逆効果となることの方が多いでし

う。そして結果的に相手が勝てばそれは相手の実力が自分よ

勝っていたと言う以外にないことです。従って、負けたこと

反省するとすれば、相手がどのようなトレーニングを積み重

て力を付けたのかを分析・解明をすることでしょう。ここで

精神論など無関係です。

‥‥結論を言えば、スポーツ競技における精神論は、競技をす

る選手ではなく、回りの観客・視聴者(これは専門解説者から

なるファンまで含みます)の中にある問題なのではなかろう

ということです。つまり選手の話ではなく、傍で観ている者

の話(印象)に過ぎないということです。そして精神論を強調

する解説者は“無意識に”(とはいえ実は、解説者は自分の声

が選手に届くものではなく、自分の声は視聴者に向けたもので

あることは知っていて)観客・視聴者に迎合しているのです。

競技の者である選手(監督、コーチも含む)と観客・視聴

者とはそれ程のたりが常にあるのが現実だと思えばいいでし

ょう。ですから、試合に勝利した場合は選手も観客も一緒くた

に喜び合って問題が表面化しませんが、敗北した場合は観客に

よる選手に対する精神論的非難(ブーイング)がまき起こるこ

とが少なくありません。しかし、これほどトンチンカンなもの

はないのだということです。

 いよいよ4年後に東京オリンピックが迫る中で、スポーツ中継

番組では“精神論的雰囲気”がさらに一段と優勢になりそうな

予感がしますが、私は逆に日本人がどれだけ頭を冷静に保てる

のかを試すいい機会だと思うのです。

 

 

スナップは最近の散歩公園でのものです。

1_2 2_2

Photo_23_2

 

 

短歌を5首ほど‥

 

<防災日油断どころか次々と地震・台風ところかまわず>

 

<念のため念には念を入れてみてなお念入りに念押しを

せよ>

 

<黄泉のはて北回帰線のあたりまで雁はゆきたり神のま

にまに>

 

<カフェ並ぶグリーン・ドルフィン・ストリート永遠に

過ぎゆく時間がありて>

 

<カナカナも間近で聞けばガキョガキョと身を刺すほど

の音をたてたり>

 

 

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心と体」カテゴリの記事

コメント

こんにちは
台風も集中型だったようで
毎回の被害に胸が痛いですね
確かに、どんなこともそうですけれど
結局は発言されている方の考え方を、聞いて
納得したり、反論してみたり
本人にしかわからない気持ちなどありながらも
情報社会ですので、結局はその情報に耳を傾けて言葉を発してしまう感じですね
どうにでもどうぞ、と思う方もいれば、心に響く方もいらっしゃるとは思います。
アスリートの方々は、それにも負けない精神をお持ちかと思いますね

どれも秋の写真ですね
素敵です🎶

今日は。
これを書くきっかけは、10日ほど前にイチローが久しぶりにタイムリーヒットを
打った時に、スポーツ記者(日本人)から、「気持ちで打ったヒットですか?」と
聞かれ、「気持ちで打てりゃあ苦労しませんよ!」と答えたという記事を見たか
らです。記者は感情移入してズバリ聞いたつもりが、全然ピント外れなんですね。
これが、人の好い選手だと、つい「そうなんです、気持ちだけでした!」などと
調子を合わせて答えてしまうんですね。これは記者の誘導尋問に掛かってい
るだけです。‥‥これなどはまだいい方で、日本だと野球や相撲で、ヒーローイ
ンタビューで必ず「応援してくれたファンへ一言を」と選手に“アリガトウ”を言わ
せようとします。私は、選手を子ども扱いした見っともないものだと思います。angry

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